ビーントゥバー(bean to bar)とは、カカオ豆の選別からチョコレートになるまでの製造工程を一貫して管理する製造方法です。
ここ数年で急増し、日本にも「ダンデライオン・チョコレートファクトリー&カフェ」や「ミニマル」といったビーントゥバーチョコショップが話題になっています。
インターネットや雑誌で話題のビーントゥバーは、なんだか価格も敷居も、お高そうなイメージがあります。
しかし近頃は、コンビニやスーパーで売られているような商品でも、ビーントゥバー方式で製造されたチョコレートが増えてきました。
気軽にビーントゥバーのチョコレートに入門できます。
このページでは、そもそもビーントゥバーとは? というところから始めて、コンビニスーパーで低価格で売られているビーントゥバー商品もご紹介いたします。
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ビーントゥバーとは?
ビーントゥバーとは、そもそもなんでしょうか。
冒頭でも述べたとおり、ビーントゥバー(bean to bar)とは、カカオ豆の選別からチョコレートになるまでの製造工程を一貫して管理する製造方式を指します。
これまでは、チョコレートの作り手(メーカーやショコラティエなど)は、製菓用のチョコ(クーベルチュール)を購入し、それを使用してチョコレートを作るのが主流でした。
他方でビーントゥバーは、カカオ豆の選定からチョコのバー(板チョコ・タブレット)の製作までを、個人またはメーカーが一貫して管理する方法です。
こうした潮流の始まりは、2000年代初頭のアメリカで発生してきたようです。当時アメリカでは、コーヒー豆を産地から厳選して管理する方式が認知され始めていました。
それをカカオ豆・チョコレートにも応用したわけですね。
その点では、コーヒー豆もカカオ豆も全く同じで、産地や焙煎の仕方によって、全く風味が変わってきます。ブルーマウンテンとか、キリマンジャロとか、そういうことですね。
カカオ豆にも産地によって品種ごとの特徴があり、それぞれの風味や個性を最大限に抽出しようとする営みが、ビーントゥバーという名前で概念化されたと言えます。
もっとも、一部の高級ショコラティエは、例外的に以前よりカカオ豆の産地や選定にこだわりを持って、チョコレートを作っていました。
その代表的なブランドが、ピエール・マルコリーニです。
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ビーントゥバー製品のチョコはほとんどがハイカカオ
上記のように、ビーントゥバー方式で製造されたチョコレートは、カカオに非常にこだわりがあります。
したがって、できあがったチョコレートに含まれるカカオ成分が必然的に多くなります。
中でもハイカカオと言われるものは、70%以上のカカオ分を含んだチョコレートを指します。
ところで、チョコレートの種類は一般に4種類あるのはご存知でしょうか?
ビター
ミルク
ホワイト
ブロンド
このうちブロンドというのは2013年頃に新たなチョコレートの種類として生まれたものです。
ホワイトチョコをキャラメリゼ(キャラメル化)したもので、ホワイトチョコの甘さに、塩気のあるキャラメル風味が付加されたものです。
ちなみにブロンドチョコレートに関しては、こちらでも記事にしました。
マジドゥショコラのナンバーフォー:最先端のブロンドチョコレートを入手せよ!
ハイカカオというのは、ビターの中でも、さらにカカオ分が多いチョコレート、と考えておけば大体合ってるかと思います。
要するに苦いチョコレートですね(笑) 明治の「チョコレート効果」とかをイメージしてください。
明治の「チョコレート効果」は、健康志向を打ち出したチョコレートで、何となく苦いだけといった印象が、ぼくにはありました。
まあ「チョコレート効果」を初めて食べたのは高校生とかそれくらいですから、苦いチョコなんて「なにこれー甘くないー」くらいにしか思っていませんでした(笑) 健康志向のチョコだなんて思ってもいませんでした。
さて、ビーントゥバー方式で製造されたハイカカオチョコレートは、その材料はほとんどカカオ豆と砂糖しか使われていません。
カカオにこだわったのだから、カカオ本来の風味を味わってほしいという、作り手側の気持ちがありありと伝わってきます(笑)
冒頭でも名前を出したビーントゥバーショップの「ミニマル」というところは、もうそういう思いにあふれているんでしょうね。
カカオ豆を潰しきらないでタブレットにしたチョコを作ったくらいです。カカオ豆のザクザクした食感を楽しんでくれというような商品があるのです。
お手頃価格のビーントゥバー方式のチョコ
さて、以上のように、ビーントゥバー方式のチョコレートは豆の選定から手間ひまかかっていますので、値段もそれなりにします。
ただし、コンビニやスーパーに低価格で売られている商品もあります。
最近話題なのが、「明治ザ・チョコレート」です。
値段はそれぞれ250円ほどです。
コンビニやスーパーに売られていますが、6種類全部置いてあるコンビニスーパーは、大型店舗でないと、あんまりないかもしれませんね。
スーパーなら、少し安くて、220円くらいで買えたりもするかも。
このチョコレート、ビーントゥバー方式で作られたわけですが、「チョコレート効果」のような既存のハイカカオ商品とは何が違うのか。
ぼくの個人的な考えですが、明治ザチョコレートは、風味やおいしさをとても意識したように感じます。
極端に言えば、チョコレート効果は、健康志向だけの苦いチョコ(笑)
明治ザチョコレートは、ハイカカオだからもちろん健康にいいのですが、健康よりも風味・おいしいチョコレートにしようという意識が強くあると感じます。
明治ザチョコレートは6種類あり、それぞれの風味は以下の通り。
ベルベットミルク カカオ49%
エレガントビター カカオ70%
コンフォートビター カカオ70%
フランボワーズ カカオ44%
ジャンドゥーヤ カカオ51%
サニーミルク カカオ54%
ハイカカオ(カカオ70%以上)の種類は、エレガントビターとコンフォートビターの2種類なんですね。
両者の違いは、エレガントビターがフルーティな香りと風味であるのに対して、コンフォートビターはカカオとナッツの香りと風味を強めに出しています。
焙煎もエレガントビターは低温浅煎りに対して、コンフォートビターは高温深煎り。ほんとコーヒー豆みたいですね。ロースト。
ちなみに明治ザチョコレートに使われるカカオ豆は、主にベネズエラ産とブラジル産とのことです。
ビーントゥバーチョコをもっと楽しむなら、専門店へ行こう
明治ザチョコレートなどを通じて、ビーントゥバーチョコのおいしさに目覚めましたでしょうか?(笑)
もっとビーントゥバーチョコを食べてみたいと感じたら、専門店へ行きましょう。
代表的なのは、冒頭にも名前を出した。「ダンデライオン・チョコレートファクトリー&カフェ」や「ミニマル」といったビーントゥバーチョコショップ。
あるいはピエール・マルコリーニをはじめとする海外ショコラティエの商品ですね。
明治ザチョコレートから入ると、ビーントゥバーチョコはタブレット(板チョコ)という印象を持つかと思いますが、上に挙げたようなお店では、ボンボンショコラやケーキなどの生菓子といったスイーツに使われるチョコレートも、もちろんビーントゥバー方式のカカオです。
あるいはサロンデュショコラという毎年1月~2月頃に主要都市で開催されるチョコレートフェスのようなイベントに出向いてみるのもいいかもしれません。
サロンデュショコラはバレンタインの時期に開催されますので、自分へのご褒美にもプレゼント選びにも、ビーントゥバー方式のチョコを楽しんでみてください。
ちなみに2017年のサロンデュショコラの情報は以下です。
サロンデュショコラ2017とは?会場やおすすめチョコを予習しよう